うつ病が発生する心理的メカニズム
ども、心理学大好きなさくです。
今日はうつ病に関する内容です。
うつ病はどうして発症するのか?
生理的なメカニズムは言われてもピンと来ないが、心理的メカニズムであれば予防もできるし自分で対応もできる。
なので周囲に怪しい人がいたらぜひ下記をチェック頂きたい。
以下の3つは精神的に大ダメージを与えると言われる要因であり、
・喪失
・孤独
・絶望
それに自責が加わると「うつ病」になると言われている。
この中で最も重要なのが自責である。
精神科医の水島広子先生によると、精神疾患の患者はほぼ全員が自責を抱えている。
喪失、孤独、絶望はそれぞれ精神的な大ダメージを与える要因ではあるが、それだけではうつ病を含む精神疾患にはならない。
自責というトリガーが引かれると一気に病的な症状に陥るのだ。
自責とは自己否定をすることであり、それにより自己肯定感(自尊心)が減ってしまう。
自己肯定感(自尊心)が0になると「そのままの自分で良いと思えない=自分は存在してはいけない=死にたい」となってしまうのだ。
例えば、愛する子供を失ったショック(喪失)で塞ぎがちになり、周囲との関わりを断ち(孤独)、未来への希望がなくなった段階(絶望)で、それが自分のせいだと思うようになる(自責)とうつ病になってしまう。
たとえ喪失・孤独・絶望の大ダメージがあっても、自分のせいだと思わなければうつ病には至らず、一時的な喪失感と気分の落ち込みだけに留まり2ヶ月程度で復活できるとのこと。
この場合、喪失対象は第三者だけでなく過去の自分、理想の自分、これまでの地位なども含む。
生きる意味が人を生かす
うつ病を発症するような過酷な状況でも、実はそこに希望(生きる意味)があれば人は耐えられる事ができる。
逆に希望(生きる意味)を失った瞬間に人は堕ちてしまう程に弱い存在でもある。
それについては「夜と霧」という本で、ナチスの強制収容所に収容されていた精神科医ヴィクトール・E・フランクルが語っている。
- 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子
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クリスマスに戦争が終わり自分たちが解放されるという噂が収容所内で流れたそうで、その希望に向かって多くの囚人達は過酷な環境を耐えていた。
しかし、クリスマスが過ぎても戦争は終結しなかった。
すると希望(生きる意味)を失った多くの人が亡くなってしまったという。
過酷な環境下でも希望という生きる意味があれば人は生き抜く事ができるが、それが失われると人は脆いのだ。
話は逸れるが、それを考えるとサラリーマンが同僚と飲みに行き愚痴を言い合うのは、一種の防衛本能ではないだろうか。
同僚との連帯感を強めて孤独を避け、愚痴を言い合うことで怒りのベクトルを自分ではなく他者に向かわせることで自責を避けているように思うのだ。
その流れで考えると、今と比べて30年から40年前のサラリーマンの方が働きやすかったように思う。
不安がない時代などないが、経済成長とバブルを経験し、物が増えて豊かになる過程と共に歳を重ねた人たちなので、今と比べて希望(働く意味)を保ちやすい時代だったと思う。そもそも働く意味を考える人が割合として少なかったのではないだろうか。
渋沢栄一氏が本の中で語っているが、彼が生きた1900年代前半でも働く意味について考える人はいたが、それは高等教育を受けても就職できないような少数の不遇な状況の人だけだったとのこと。
それが今やネットで色々な情報が拡散されるので、中には不安を煽る情報もあり、働く意味についても多くの人が考えるようになってしまった。
しかし今は物を持つことへのモチベーションは低下し、経済収縮への不安が強まっていて希望(働く意味)を保ちづらい状況が出来上がってしまった。
そう考えると現代にうつ病が多いのは当然のように思えてならない。
この時代をどのように生きるべきか?
それは原点回帰のように思う。
最近は情報過多が続いており、これにより欲が先行してしまうと人道を踏み外したり自分を見失ったりして多くを失いかねない。
SNSが良い例だが、他者と比較することで自分を不幸にする人が多いのは現代の特徴であると思う。そもそも金銭の多寡や地位や名誉で幸せの尺度は決まらないのに、さも多く持った方が幸せであるかのように拡散し広告している。
一部では労働者は負け組だか、会社勤めは奴隷だと言う人までいる。
ただ、それを真に受けたら幸せにはなれない。
僕は「論語」が好きなのだが、これには人の歩むべき道が記載されている。
他者との比較よりも自分が人として恥じないよう生きる事ができているか、地道な努力と誠実さを以って他者に貢献するように日々を生きているかを問うようにすれば、幸せに通じる道は拓けるのではないだろうか。
「論語」ではなく、仏教やキリスト教でも良いと思うが、人道を意識して生活することで希望(働く意味・生きる意味)を見出していけるものだと考えている。
この辺りは本多静六氏の著書に多くの人の参考になる真理が書いてある。
逃げちゃいけない
悲しいかな人生で3度くらいはひどい状況に陥ることがあるようだ。
その時の心構えについてCMでの所さんの言葉が心に染みたのでシェアしたいと思う。
妻夫木聡 「逃げちゃいけない時と、逃げて良い時の区別ってあるんですか?」
所ジョージ 「あー、それはね。ほとんど逃げちゃいけないのよ。」
妻夫木聡 「はい。」
所ジョージ 「良い事言いそうでしょ!?ところが逃げて良い時があるの。元気な熊とか会った時とかねぇ。これは逃げた方が良いよね。」
最後に
ちなみにうつ病で死にそうな時には、全部投げ出して逃げるのではなく戦略的に休息or転職しよう。
逃げても結局形を変えて追ってくるので全く良いことはないが、元気な時に向き合った方が死ぬよりマシだと思う。
そうは言っても日本はレールを外れた人にはとても厳しい社会である。
過労死になる前に大手広告代理店を3年で辞めたとある女性は、その後に公務員試験を3年連続で落ちて今は人生詰んだと感じているようだ。
気持ちはわかるし、そんな気分の時には生きる方がツライことだろう。
そういう時には以下の本を読んで少しでも元気をもらってほしい。
きっと涙が止まらないだろうと思う。
運命なんか全部変えられるねん! 大阪オカンの「命を躍動させる」39の教え (PHP文庫)
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